MICIN主催2023年9月30日開催!がん経験者のためのビューティーケアフォーラム
がんを経験した女性を支えるがん保険 MICINさんのリアルイベントが2023年9月30日開催されることとなり、僭越ながら登壇させていただきました。数年振りのリアルイベント、たくさんの方にご来場いただき終始和やかな雰囲気の中、楽しい時間を過ごさせていただきました。
【概要】
開催日時: 9月30日(土) 14:00〜16:30
会 場:浅草橋ヒューリックカンファレンス 3階
〒111-0053 東京都台東区浅草橋1-22-16ヒューリック浅草橋ビル
3階 HULIC CONFERENCE
入場料:無料
形 式:会場、一部オンライン配信あり
主 催:MICIN少額短期保険
共 催:Peer Ring、患者家計サポート協会、Cancergift.co
今回はトークイベントということで、あらかじめいただいたご質問、そして会場からのご質問にお答えいたしました。
私がお答えした中からいくつかご紹介いたします。宜しければご参考になさってください。
Q、リンパ浮腫かなと思ったら、どこに相談すればいいですか?
まず、主治医に相談しましょう。 その上で、リンパ浮腫外来などの専門家がいる医療施設にかかりましょう。
ご自分で探す場合は、
■近くの病院でリンパ浮腫外来があるかを確認する場合
➡︎リンパ浮腫外来という名称で立ち上げている病院もあれば、診療科(乳腺、婦人科、形成など)にて対応されておられるところもあります。まずは、どの診療科で対応しているか確認しましょう。
■ゼロから探す場合は
➡︎①お住いの地域のがん相談支援センターにお尋ねになってみてください。
がん診療連携拠点病院やがん診療病院に設置され対面で看護師やソーシャルワーカーなどが対応しています。また電話相談もできます。
リンパ浮腫外来のある医療機関がわかったら、その医療機関以外の患者でも対応してくれるかなど、あらかじめ確認してください。
➡︎②弾性着衣を扱っているメーカーさんに問い合わせてみるのも居住地に近いリンパ浮腫外来、セラピストの有無、リンパ浮腫ケアをしている治療院などの様々な具的な情報が得られるかと思います。
Q、ドレナージはどれくらいの頻度でやった方がよいですかドレナージの方法は、動画などを参考に自己流でOK?
リンパドレナージの目的は日々の観察とリンパ管の側副路を作ることです。一度で効果が出るというよりも短時間でも毎日続けることが大切です。
今はセラピストの方々が動画やYouTubeなどで公開されているので参考になさるのも良いかと思います。
大切なルールは2つ。
①手首から指先までを使って面で触ること。
②ドレナージする際の目的地のリンパ節を知ること。
日常生活動作の中に取り組めると無理なく負担なく行えて理想的。お風呂の中で身体を洗いながら、ドレナージしてみましょう!
四肢からのリンパが四肢の付け根(腋窩や鼠径部や腹部)に貯留しがちなので、その部分での浮腫の悪化、繊維化を促進してしまうので、四肢の付け根から体幹のケアも行っていきましょう。
Q、ストッキングやスリーブはどこで買えますか?保険は使えますか?
どこで買えるか➡︎
リンパ浮腫外来のある病院やクリニックやリンパケアを行っている治療院で採寸して購入可能です。
最近はネットで購入だったりしますが、
私たちセラピストは採寸だけでなく、お1人お1人の皮膚の状態や今までの経過などを評価してまずはきちんと自分で着脱して継続して使っていただけるもの、そして一番効果が期待できるものを選んでいます。
患者様が自分で選択すると、結局色々買ったけど自分に合ったものが見つからなかったり、余計にむくみを悪化させたりとトラブルになる可能性もあります。まずは専門家に相談し、適切なサイズ・圧力・スタイルを決めてもらいましょう。
セラピストと繋がることのメリットは
弾性着衣を選んでもらえるだけでなく、装着方法、お洗濯方法などお手入れ方法も教えていただけます。また手首や指先に症状の多い方も多く着脱に痛みを伴う場合もあります。その場合などそれを手助けするような自助具の紹介や着脱時の一工夫が教えてもらえたりもします。それだけで負担が違ってきます。
保険適応になるか➡︎
2008年4月から保険適用になり、療養費として支給されるようになりました。
申請する場合医師の弾性着衣装着指示書が必要になります。いくつか条件がありますが、その中の一つに、
「着圧指示」が30mmHg未満の場合は、装着が必要な理由を「特記事項」欄に記載することが必要。とあります。
例えば症状に合わせて圧1を選んだ場合、或いは夜間の装具エアボウェーブやモビダーム夜間ストッキングや夜間スリーブなどの場合も弱圧になるため、指示書の特記事項の欄にその理由が記載されていないと申請が通らなくなるので注意が必要です。
Q、リンパ浮腫になったら、仕事や運動、旅行に制限は出てしまうのでしょうか?
日常生活に支障きたす症状をお持ちの方はご相談が必要になるかと思いますが、
基本的には制限なく色々なことに挑戦して楽しんでいただけます。
ただしすでにリンパ浮腫が発症してリンパ管の機能障害が生じているわけですから、関わり方によっては悪化させてしまう可能性もあります。まずは正しい知識を持って意識して取り組む必要があります。
◉1つ目は段階的にすするめること!
その準備として生活全体の活動量を上げていくこと
◉2つ目はリンパ浮腫を悪化させるようなリスクを防ぐ工夫をする
例えば座りっぱなしのデスクワーク→足のむくみがある方は机の下に台を置いて時々高い位置に置いて仕事する、会社内移動をエレベーターから階段昇降、おトイレ時間にしゃがみ込んで爪先立ちをする、足の裏にも溜まりやすいから青竹踏みセットなどなど
◉3つ目は観察とアフターフォロー
いつもと違った運動や仕事、遠方へ旅行した際はその前後の様子を観察。
アフターフォローはドレナージにこだわりすぎず、圧迫下で大きな関節を使ってストレッチや筋トレすることもセルフケアになります。
もし新たにスポーツを始めるなら、患肢に負担をかけず安全に始めるためにも指導者の元フォームをきちんと学ぶことをお勧めします。
Q、育児や介護の中で、リンパ浮腫を悪化させない方法はありますか?
悪化させないための大きく分けて2つの考え方があります。
1つは部分的に捉える考え方。
リンパ浮腫が生じている腕や足への負担を減らすために出来ることです。
①弾性着衣の着用とスキンケア
② 介護や育児動作を手先だけで行わない
負担がかかる介助動作として起き上がり動作、トイレから立ち上がらせたり入浴介助。どれも前屈みで手の力だけで行いたくなりますが、足と足の間を広げ、重心を低くする基本姿勢を取り入れることで、そこから身体の近づけながら重心移動を使って行うと手や脚、そして腰への負担は軽くなります。身体の使い方を利用していきましょう。
もう1つの全体的に捉える考え方は浮腫まない身体づくりをすること。
① 休息と睡眠時間の確保
育児や介護にプラスして家事、一般的な「仕事」とは異なり、休みがあるわけでもなく、日々同じことが繰り返し続いていきます。
夜間の対応が続く場合には、睡眠不足のため
自律神経が乱れて浮腫みやすくもなります。
そうならないためにも意識して休息と質の高い睡眠を心がけていきましょう。
②ストレッチとウォーキング
育児や介護は前屈みの姿勢が多いので、できるだけ伸ばす方向を意識しながら、大きい関節そして背骨をゆっくり大きくストレッチ。
また心と身体をリセットするためにも早歩きをお勧めします。わざわざウォーキングの時間を取るのが難しくてもお買い物や移動時などを利用して行ってみましょう。自律神経が整って睡眠の質の改善も期待できます。また疲れにくい身体作りにも役立ちます。
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