第6回リンパ浮腫治療学会に参加して

2022年9月3日(土)4日(日)
 第6回日本リンパ浮腫治療学会に参加いたしました。テーマは「One team」✨
1)先天性
2)廃用性・末期
3)多職種連携 診療体型(外来・入院)
4)地域連携
5)腫瘍
6)保存療法(症例報告)
7)保存療法(圧迫・MLD)
8)リハビリ・運動療法
9)診断・評価
10)外科治療-1
11)外科治療-2

 一般演題の他にも体験型のワークショップハンズオンセミナーもあり、知識、技術面において学ぶ新しい企画となりました。
ハンズオンセミナー3「下肢リンパ浮腫における弾性着衣の選定および採寸について〜講師:佐藤佳代子先生」ではアシスタントとして携わらせていただき、私自身とても貴重な学びの機会をいただき感謝しています。
 特別講演、教育講演、シンポジウム共に、他分野からリンパ浮腫治療の変遷から最新の知見まで興味深い内容が続き、同時刻開催で選択にも悩んだ次第です。
 4日(日)シンポジウムは「セルフケア」
座長は加藤逸夫先生、品岡玲先生、
シンポジストは佐藤佳代子先生とリンパ浮腫患者グループ「あすなろ会」 東 厚子さん。

東さんの発表の中から少しご紹介いたします。

東さんが考えるセルフケアの目的は、
①良い状態を作る
②炎症を起こしにくくする
③現在の自分を確認する
④治療効果を維持

 実際に東さんがご病気になられたのは1988年、リンパ浮腫に治療法があると知ったのは発症してから11年後、セルフケアを学べたのはその翌年ドイツ留学から帰国された佐藤先生にお会いしてからとのこと。その後大きく改善され日常生活が楽になったということです。
 術前・術直後の早い時期にリンパ浮腫に対する知識が欲しかったと話されていました。
また452人の患者様に行われたアンケートからは半分以上の方がセルフケアが続けられないと回答。
理由は以下の通り。
◉時間がない
◉面倒
◉やり方がわからない
◉効果を出せない
 がん拠点病院でも多くの病院でセルフケアをおこなっているものの継続するに至らないのが課題であるとのお話。患者さま、患者会という立場からとても説得力のある発表でした。
 私がto beを立ち上げたのも、まさにこのセルフケアをお伝えしたかったからです。術後の胸回りの違和感や痛み、肩の可動域障害、リンパ浮腫等診断名がついてから病院で治療を受けるのではなく、毎日自分で無理なくケアしていくことでご自宅での生活がより穏やかで豊かなものになるようサポートしたいと願い、3年前に個人で活動し始めました。
 シンポジウムの中では0期からのセルフケアの重要性が大切であること、その取り組みについて討論されていました。
診断はセラピストではなくあくまでも医師が行うこと。セルフケアが完全な予防につながるわけではないがスキルを持っていることは必ずプラスになる。治療は早期から推奨。もしも早期からセルフケアに取り組むことで神経質になるようなら医師による検査を受け、心の準備ができた状態を整えてからの方が治療が進みやすい。

 リムズ徳島クリニック小川 佳宏先生、理事長講演「リンパ浮腫診療の温故知新〜リンパ浮腫を全国どこでも治療できる疾患にするために」の先生の発表より、診断で最も基本なのは周径より視診・触診。
重要なことは
★その日に悪化した浮腫を夜間に改善させること
★朝起きた時の患肢の状態を保持する弾性着衣
と話されていたのも心に留まったお言葉でした。

 タイムリーにスリーブとグローブの日々装着におけるお悩みについて、to beの中で対象者の皆さんからいただいた声をまとめました。
 大変貴重な声が集まり、私自身の気づきもたくさんありました。
▶︎自分の症状、体調、生活スタイルに合わせ、セラピストに提案された圧迫用品を強弱しながら装着している
▶︎効果を感じているものは継続している
▶︎何しろ忙しい世代、神経質になりすぎず、
自分なりに短時間に取り組めるよう工夫されている
▶︎スリーブ等装着することで安心感や安定感を感じる方がいる反面、時間が経っても完全に慣れたとは言い切れない方も多い
▶︎スリーブ装着時の肩周りの運動やドレナージ、外出時や圧迫時間が短った時の念入りのケアをされたり、夜間ケアに繋げている方がいて、その場に合わせたケアを選択できるようになっていてレッスンの効果を感じた
▶︎職場や友人、周囲の方への対応については特にたくさんのメッセージが集まり関心の高さを感じた。正直に伝える派と適当に交わす派がいらっしゃる。
思っている以上に周りの人は気にしていないという意見が1番多かったのも何だか心強い。
▶︎生活の一部になるよううまく付き合っていきたいという気持ちが伝わってきた
 リンパ浮腫と同様に、胸周りのケアに関しても触るのが怖かったり、やり方がわからなかったりとなかなか術後に取り組めていないのが現状です。
 ちょっとのケアで気になっていた症状も軽減し、生活そのものが楽になります。そんなケアがto beが大切にしているところです。

 リンパ浮腫や術後の様々な症状に対し、グループレッスンでも個別に出来るだけ目を配り、これからもレッスンから個々のセルフケアに繋がるようご指導していきたいと思います!!

乳がん術後リハビリ&セルフケア スタジオ 〝to be〟

理学療法士でリンパ浮腫セラピストが指導する乳がん術後リハビリ&セルフケアスタジオ〝to be〟  肩凝り・肩の運動制限・脇の下のつっぱり感・リンパ浮腫…日々のリハビリやセルフケアで予防や症状緩和を目指しています✨ ①胸回りの柔軟性UP ②再発予防目的の有酸素運動 ③段階的な体力•筋力強化 楽しい毎日を一緒に過ごしましょう!   申込みは上のトップメニュー 「申し込み」からどうぞ

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